2010年5月26日水曜日

クルマなイタリア。(フィアットグループの商品を見ていて)

アルファロメオの「ジュリエッタ」のCMを見ていて、アルファ自体のポジションは昔から確かに「ドライビングプレジャー」「アバンギャルド」というような言葉で表せるので、まあおいといて、フィアットグループには、なんでこんなにハッチバッククーペとかっぽいのばっかりあるんだろうと。確かに伊はハッチバック利用率高いんですけれど、こんだけ同じグループでブレラだとかがあるなかで、共食い状態になってしまうのではないだろうかと、人事ながら心配です(笑)。なんといっても、お上品でSangue blu(貴族)が乗っても恥ずかしくない3BOXの提案が減っているような気が致します。ランチア「テーマ」だって、だいぶ時間がたっているし(まあ、市場も飽和状態ですもんね…。)。新型ジュリエッタのCMを見ていて、思いました。確かに知られている「イタリアらしさ」は「官能」であったり「盛りだくさんさ」「退廃」だったりする部分もあるわけですが、気取り過ぎない「エレガンテ」であるということは、イタリア車に、もう誰も期待しなくなっちゃったんでしょうか。

よくメディアに取り上げられるような富裕層の方々、(ラポだベルルだブリアトーレだなんだって)遊び人でいらっしゃいますから、ラグジャリーブームのときは、やたらとヨットだスキーだとスポーティさ、カジュアルさでのファッションに力が入り。猫も杓子も官能のスポーツ仕様。教会だろうがなんだろうが、肩みせや胸元あけまくりという、セレブの南伊リゾート風ファッションが一般市民の日常生活の装いにも影響を与えてきてしまったのでしょう。そんなこんなで、ラリーのエキスパートというごりごりな要素もあったホンモノの質実剛健、上級ブランド、ランチアは、スポーツ感覚にあまりに特化しすぎたのか、いまや、やたらグリルだけ古風な「高級仕上げ風ブランド」になってしまったし…。

でも、本当に礼装を要求される場所はいまだにある。これは着てはいけません。こういう行動はいけませんという言わない規制は、いまだに敷居がだいぶ下がったとはいえ、ある。

ちょっと知っている人と乗っている車をむちゃくちゃ大きなカテゴライズでしてみると、例えば、クロスオーバーSUV乗っている人は確かに儲かってますし羽振りもいいですが、ある程度気を引き締めて商売しなければいけない相手だったりすることもあります。それこそ、礼装の場で、かっこいいだろうと、無粋な山登りブーツを履いてくるようなそれこそTPOをCross over(乗り越えてだとか、掛け合わせ)してしまうよく言えば個性的な感覚の持ち主なことも。大体、まじめで、しかも成果をあげているようなビジネスマンはBMV、AUDIあたりのドイツのセダンにのっているような気がします。実はいまだに、信頼されるにはまだまだセダンでなきゃいけないところがあるのです。大体こういう方は、やたらとMe-ismでなく、自分を客観視できる人だったり自分の行動に信条がある人。どういう風に見られているか、どういう仕事がしたいか、今何をしなければいけないのかを考えられる人だったりするような気がします。(あくまでイタリアでのことですし。あくまで個人的な見解ですが)

3BOXが、バブルで高級セダンの安売り状態になる前に、普通に「エレガンテ」の文法上にあった時代というのは、ハレとケ、公私がしっかりわかれているときだった。父親にはTu(一般的につかわれる「あなた」)ではなくVoi(Leiでもない尊敬の「あなた」)をつかう時代。ステッチやボタンなんかは隠すものだとか、襟はきちんと上までしめるだとか、シャツは白、スーツはできる限り黒に近くないと、いけないというある意味、文法があったわけで、そうでないと、母親がお玉もって泣きながらおっかけてくるとか、叱る状況や上下の秩序が常識としてある時代だったんですね、きっと。現時点ではストリート万歳な感覚なんですよね…。私としては、一糸乱れない礼装にぐっとくるタイプなのです。まあ、まだクルマがクルマであることを求められるイタリアであることは恵まれていて、大変楽しいことなのですが、懐古主義的になってしまってごめんなさい…。

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