2011年2月24日木曜日

インドに6ヶ月住んで、思ったこと。インド、産業デザイン。

お久しぶりです。

私はいま、デザイン企画の部分をあるデザインカレッジで教えたり、
こちらでのデザインプロジェクト、
そして、BEESTUDIOのオフィス設立に動いています。

今日は、インドのデザイン業界について、
考えたことをちょっとまとめてみたいと思います。
デザイナーという職種は、インドでは約20年間程度の若造です。

インドの産業、デザインスタイリング、アイディエーションの部分に、
意識が向き始めたのは、ここ10年程度のものなのではないでしょうか。
まだまだものづくりデザインはひよっこです。

デザイン業界の中心は、アートやモード的なデザイン、
ITなどを通して、WebデザインのOEMで発展した、
コミュニケーションデザインの部分が強く、
モノづくり産業の多くのメーカーは、
CADでできる部分をデザインの成果物と捉えているのが現状。
新しい文脈での新しい形や新しい意味を製品に与える作業が、
世に言うイノベーションなデザインと、
捉えられているような気がしています。

日本のように、ニーズへの供給が飽和状態を迎え、
個人嗜好の多様化している状況とは、
うって変わって、まだまだ不便なことや、
なんで、これしかないんだ的なモノがあちらこちらに転がっています。

また、忘れてはいけないのが、絶対的な階級差。

自転車を繰ってモンスーンのたびに舗装が剥がれる、いや、
土のままの何キロものがたがたな道のりを経て買い物や仕事をしている
下流階級とは打って変わって、
中流階級はより自分の生活様式を豊かにし、不便は、
下流階級のマンパワーに助けてもらって解消し、バイク、運転手付きの車で、
ショッピングモールでの買い物を楽しんでいます。
また、一方では、上流階級が、地価の高騰するムンバイで、
ビル一個を自分の自宅として建築し、ヘリコプターで移動しては、
映画館やボーリング場で楽しむ桁外れの生活をしています。

下流階級の仕事を奪って、便利なモノを売りつけるのではなく、
下流でも生活の中で使って役立つモノ、生活を豊かにするモノを、
いや、モノ以前のことができるかもしれない。

うん。コトからデザインしていけるかなと思っています。

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